ミニシアターとりっぷ

Feature article 特集

ゴトゴト電車に揺られて‥‥
路面電車沿線のミニシアター/九州編

熊本市電

長崎・熊本・鹿児島の路面電車に乗って映画館へ

路面電車が走る街には、昔ながらの趣と地域独自の文化が息づいています。そんな街には、個性豊かなミニシアターがあり、映画ファンに愛されています。今回は、長崎の「長崎セントラル劇場」、熊本の「Denkikan」、鹿児島の「ガーデンズシネマ」をご紹介。

長崎電軌で長崎セントラル劇場へ

長崎市電

長崎電気軌道は5路線が運行されており、長崎市内の主要な観光地やビジネスエリアを結び、市民や観光客にとって便利な交通手段となっています。
車両は昔ながらのレトロなデザイン、モダンなデザイン等、イベント車両があり、近年ではバリアフリー対応の低床車両といった新しい車両も導入され、快適な乗り心地を提供しています。

長崎市電「みなと」

鮮やかなブルーの車体「みなと」はJR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」をはじめ多くの鉄道車両を手掛けた水戸岡鋭治氏がデザインした車両。

長崎市電「みなと」の内装
長崎市電「みなと」の内装

車内の内装は船舶照明、ステンドグラスの窓、すだれや組子細工などふんだんに木材が使用されています。特別なデザインですが、通常料金で乗車が可能です。「みなと」が来たらラッキー!

長崎セントラル劇場

長崎電気軌道「長崎駅前駅」から約10分、「観光通駅」を降りてベルナード観光通りのアーケードを歩いて4分ほど。アーケードから横道に入った場所に「長崎セントラル劇場」があります。

長崎セントラル劇場は、1960年(昭和35年)に日活の弐番館としてオープンした県内唯一のミニシアター。いわゆる単館系の作品を中心に上映しています。


熊本市電でDenkikanへ

熊本市電

熊本市内には、熊本市交通局が運営する熊本市電が走っています。路線はA系統とB系統の2路線。熊本城や水前寺成趣園など、主要な観光スポットへのアクセスが良好です。

車両は1951年(昭和26年)から今でも現役で走っているものから、最新型の低床車両、輸送力バツグンの2両編成車まで様々。市電開業90周年記念車両の「COCORO」は、車両デザイナー水戸岡鋭治氏がデザインしたものです。

Denkikan

A系統「熊本駅前」から約12分、B系統「上熊本駅」から約17分、いずれも「辛島町」を降りて繁華街、サンロード新市街のアーケード内にある「Denkikan」。

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「Denkikan」は、1911年(明治44年)創業。代々家族で運営し、現在の代表は4代目。アートな雰囲気漂う映画館として地元の映画ファンに親しまれています。作品はアート系を中心に、ドキュメンタリー、邦画・洋画を問わずに幅広く上映されています。


鹿児島市電でガーデンズシネマへ

鹿児島市電

鹿児島市電は全長約13.1kmで、市内を北から南に向かって走っています。主要な路線には、鹿児島中央駅や天文館、桜島フェリーターミナル、そして観光名所の霧島神宮などが含まれています。

マルヤガーデンズ

鹿児島市最大の繁華街である天文館を通る「いづろ通駅」下車。「ガーデンズシネマ」は緑に覆われたマルヤガーデンズの屋上庭園の先にあります。

ガーデンズシネマ

「ガーデンズシネマ」は、県内で唯一のミニシアターで、アート系映画館です。
映画館では地域の文化イベントやワークショップも積極的に開催されており、映画を通じて地域の人々が集まり、交流を深める場としても機能しています。